海上交通システム研究会(MTS)は、1988年(昭和63年)7月23日に横須賀港外で発生した「なだしお衝突事件」を契機として、大阪大学 石谷清幹名誉教授を初代会長として海事関係の有志により海事全般を広い分野と視点から取り上げるものとして設立された、外部機関・組織に所属しない独立の研究会である。
爾来今日まで約百余名の会員により、一貫して研究会活動を継続し今日に至っている(2018年10月には満30年を迎える)。
年4回開催の研究例会(講演約3件と討論)は、2017年6月で133回目となる。また、研究会後に毎回ニューズレータMATRIX(講演と投稿論文収録、A4版約60頁)を作成して全会員に配布している(本ホームページの「会誌 MATRIX NEWSLETER」参照)。
上記「なだしお衝突事件」は、海上自衛隊潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」の衝突により、30名の一般市民の死亡者をだした痛ましい事件である。このような死亡者までも伴うか否かは問わず、海上衝突事件の発生を如何に回避するかは海事世界における重要な課題の一つであり、広く海事関係者の関心を引き起こす格好のものである。我々の取り組みは、この様な事件を関連する組織システムの欠陥によるものと捉え、関連する幾多の立場、直接・間接などから考察しようとする立場を共有するものである。会員として、政府機関、運輸局・同研究機関、海上保安庁、法曹界、主要大学、大手海運関係者、大手造船・造機会社などの現役、OBが参画した。この考え方、形態は今日まで引き続き受け継がれている。ニューズレーターを“MATRIX”(行列・子宮)と名付けるのは、この研究会が各分野横断的に縦横の広い視点を目指す姿勢の象徴を意味するものである。
以下は、その概要である。
MTSの会長は、初代石谷清幹会長以後、原潔(神戸商船大学長)、石田憲治(神戸大学海事科学部教授)、古莊雅生(神戸大学海事科学研究科教授)を経て、現在の長谷川和彦会長(大阪大学名誉教授)に受け継がれている。
事務局は大阪大学工学部を経て、現在は神戸大学大学院海事科学研究科に置き、幹事が運営に当たる。活動の中心は上記の研究例会とニューズレターの発行である。
例会会場は東京、大阪などの前例もあるが、近年は神戸大学・深江キャンパスが通例である。全ての運営は会員の年会費(現在3,000円)でまかなわれる。例会に続く情報交流会は、忌憚のない交流の場としてMTSの特徴の一つである。
会長
初代 石谷 清幹 東京大学、川崎重工業、大阪大学教授、大阪産業大学客員教授
2代 原 潔 神戸商船大学学長(2004年)、京都大学監事(2004年)
3代 石田 憲治 神戸大学・海事科学研究科教授、国際海事研究センター教授
4代 古莊 雅生 神戸大学・海事科学研究科教授、国際海事研究センター教授
5代 長谷川和彦 大阪大学名誉教授
幹事 (五十音順)
会 長
長谷川 和彦(大阪大学名誉教授)
副会長
澤井 弘保 (神戸大学客員教授、三貴株式会社 常任顧問、海上保安庁OB)
幹 事
畦原 聡 (大阪市港湾局)
在田 正義 (船研OB、騎ITAコンサルティング)
池田 良穂 (大阪経済法科大学OUEL研究センター 大阪府立大学名誉教授)
岩本 一夫 (明治安田生命保険 海上保安庁OB)
内田 宏 (東洋信号通信社 関西地区代表)
葛西 正記 (神戸製鋼所顧問、海上保安庁OB)
工藤 栄介 (公益財団法人 笹川平和財団参与 神戸大学客員教授 運輸省(現・国土交通省)OB)
久米 秀樹 (ドランスウッズ)
栗岡 由香
小玉 光良 (寄神建設)
城野 隆史 (Kシニア、日立造船OB)
世良 亘 (神戸大学 海事科学研究科 准教授)
田中 暁 (早駒運輸参与 神戸・ 近畿運輸局OB)
富田 慎一 (富田技術士事務所、川崎重工業OB)
濱 巖 (川崎重工業OB)
濱田 孝一 (Kシニア 三菱重工業OB コンサルティング共創)
古莊 雅生 (大島商船高等学校 校長、神戸大学名誉教授)
松本 浩文 (水産大学校 准教授)
三木 基実 (第三管区海上保安本部アドバイザー ナラサキスタックス顧問 海上保安庁OB)
南 晴雄 (アスト株式会社)
森下 美津恵(大阪産業大学 講師)
監 事
赤塚 宏一 (船長協会副会長)
並川俊一郎 (NAVIKAコンサルティング代表)
〒658-0022
神戸市東灘区深江南町5丁目1−1
神戸大学大学院 海事科学研究科 操船研究室気付
office(at)mts-matrix.org
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